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大阪市立大学 副理事長
神田 幹男

 工学部同窓会の皆様には、日頃より本学の教育・研究・ 社会貢献活動そして大学
運営につきまして格別のご理解ご支援を賜り誠に有難うございます。
本年4月に副理事長を拝命し法人運営を担当しておりまして、現在進めています大阪府立大学との統合に関して現状と取り組みを報告したいと存じます。 

 大阪府立大学との統合に関して、2016年4月の「副首都 推進本部会議」(府市の協議組織)において、先ずは両大学 を運営する両公立大学法人の統合を行い、その後に大学統 合を進めるという方向性が定められました。  2019年度に予定されている法人統合については、大阪府 議会では昨年11月に大阪市会では
本年2月に、両公立大 学法人の新設合併に関する議案等が可決されたものです。 これにより2大学1高専を運営する新法人「公立大学法人 大阪」が設立されることとなり、新大学実現に向けての第 一ステップがスタートしたものです。  現在、府立大学と連携し、府市とも協議しながら、来春の新法人設立を目指して鋭意準備を進めているところです。 府市においては、両議会で新法人の中期目標についての審議が継続中となっております(2018年11月9日現在)。  法人統合により目指すものとして、(1)両大学の経営面 の一元化と教学面の連携を強化し新大学への移行をより円 滑に推進することが挙げられます。また(2)法人役員数 を削減、法人共通部門の集約化を図り、人材等の経営資源を大学運営に重点投入し、更には(3)両法人でこれまで培ってきた職員の能力技能を最大限に活用し事務力の向上 を図り、大学高専の教育研究を支える事務体制を充実する ものです。  新法人の組織・運営に関しましては、現在は兼務されて いる法人理事長と大学学長を分離し、理事長は法人経営に対してトップマネジメントを発揮し、学長は教育研究の推進に対しリーダーシップを発揮するとともに、役員には外 部人材も登用し民間的発想・ノウハウを取り入れ法人運営に反映することとしています。  続く第2ステップとして、2022年には大学統合による新 大学の実現を目指してまいります。大学統合に向けまして は、更に府市両議会で関連議案の議決が求められことにな ります。  大学統合では、基幹教育の充実、キャンパスの再編整備、 新分野・領域などへの投資を進めることで、将来を担う有 為な人材を教育・輩出し、外部資金の更なる獲得努力により研究力の向上、大学運営や教学組織の改革により教育力 や研究力の向上に取り組むこととしています。そのために は、具体的に、学部・学域などの教育研究体制の再編、カ リキュラムや入試科目の検討整理、教育研究活動を展開するキャンパス再編整備、大学の自助努力と設置者への財源 措置要望など、大きな課題を府市と両大学(現在の法人及 び新法人)で協議解決しながら進めてまいらねばなりませ ん。何よりも魅力ある新大学の姿としての展開を、全ての関係者に対して示していくことが重要だと考えています。
 大学を取り巻く内外環境は大きく変わりつつありますが、 中でも文部科学省の「大学進学者等の将来推計」によりま すと、2017年では18歳人口120万人に対し大学進学者数は ピークを迎えた63万人で、大学進学率は52.6%の実績値であったものが、2040年には同88万人に対し同51万人と大 幅に減少しながらも同進学率は57.4%に上昇すると推計さ れるなど、大規模で複雑な変化が予想されるところです。
 今後、法人統合の準備を着実に進めるとともに、新大学の実現に向けましては、世界に展開する高度研究型大学(新法人第1期中期目標(案)全文)として、大阪の発展を牽引できる大学として発展し、優れた学生や教職員、研究者から選ばれる大学となるよう新大学の姿を示しながら取り組みを進めてまいりたいと思います。
 卒業生の皆様や多くの関係者に支えられ発展を遂げてまいりました市立大学の伝統とブランドは、大学が統合するときにも引き継がれていくべきものだと思います。  今後とも卒業生の皆様のご理解とご支援を賜りますよう お願いいたします。

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